「まず何を、いつ、どこへ出せばいいの?」

登記も口座も整い、いよいよ事業スタート…の前に、必ず通るのが社会保険の加入手続きです。
「代表ひとりだけでも必要?」「期限はいつまで?」――こうした疑問は、初めての起業では誰もが一度は抱くもの。

この記事では、会社設立後に必要な社会保険の基本と手続きの流れや未加入によるリスク、そして社労士に依頼するメリットをわかりやすく解説していきます。

社会保険とは、主に次の4つを指します。

  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 雇用保険
  • 労災保険

このうち、どれに加入すべきかは「法人か個人事業か」「従業員がいるか」で変わります。

会社を設立すると、代表1人だけの法人でも健康保険と厚生年金への加入が義務になります。
個人事業主とは異なり、法人は社会的責任を持つ“事業体”と見なされるためです。

手続きは、設立後5日以内に年金事務所へ「新規適用届」などの書類を提出して行います。
この手続きを怠ると、後日まとめて保険料を請求されたり、行政から指導を受けることがあるため注意が必要です。

法人化した会社が従業員を雇う場合、雇用保険と労災保険の加入も義務になります。

週20時間以上勤務し、31日以上の雇用見込みがある従業員はすべて対象です。
短時間勤務のパートタイマーでも条件を満たせば加入が必要です。
手続きはハローワークで行い、雇用開始から10日以内が原則。
未加入のままでは、助成金の対象外になったり、監督署からの行政指導を受ける可能性もあります。

労災保険は、従業員を1人でも雇った時点で必ず加入しなければなりません。
業種や雇用形態を問わず、労働中や通勤中の事故・病気に備える保険です。
手続きは労働基準監督署で行い、雇用開始から10日以内に申請します。労災保険料は会社が全額負担。
未加入の状態で従業員がケガをした場合、治療費や休業補償をすべて会社が負担しなければならないため、早めの対応が重要です。

社労士に聞く法人化に伴う社会保険加入:「労災保険」って?

「うちはパートだけだから関係ない」と思っている方も注意が必要です。
社会保険の対象は、正社員だけでなく、勤務時間や日数によってはパート・アルバイトも含まれます。

  • 健康保険、厚生年金:正社員の所定労働時間の4分の3以上
  • 雇用保険:週20時間以上勤務

条件を満たす従業員を加入させていないと、後で遡って数年分の保険料を請求されるケースもあります。
社会保険の判断に迷ったら、早い段階で専門家に相談しておくのが安全です。

設立したばかりの時期は何かと手続きが多く、「とりあえず売上を作ってから…」と保険を後回しにしてしまう経営者も少なくありません。
しかし、社会保険を放置してしまうと、思わぬ負担やトラブルに直面します。

社会保険に未加入のまま運営していると、後から行政調査などで発覚し、過去2年分の保険料+延滞金を一括で支払うよう指導されます。
創業期のキャッシュフローを直撃し、経営を圧迫することになりかねません。

健康保険法や厚生年金保険法では、義務を怠った場合に過料が科されることがあります。
悪質と判断されれば刑事罰の対象となるケースも。
社会保険は「やらなくてもいい届け出」ではなく、法律で義務付けられた手続きです。

社会保険加入しないと行政処分や罰則の対象に?

社会保険に未加入のままだと、「福利厚生の整っていない会社」と見られ、採用や取引に悪影響を及ぼします。
求人票に「社会保険完備」と記載できるかどうかは、採用力に直結します。
優秀な人材を確保するためにも、社会保険の整備は会社の“信頼をつくる投資”といえます。

手続きを自分でやるか、社労士に頼むか

社会保険の手続きは、関係する役所や書類が多く、初めての経営者にはわかりにくい部分も多いのが実情です。
慣れていないと、記載ミスや提出期限の遅れで何度も差し戻されてしまうこともあります。
そのため、設立直後だけでも「社会保険労務士(社労士)」に依頼するのがおすすめです。

  • 書類不備がなく、一度で受理されやすい
  • 手続き期限を逃さない
  • 最新の法改正や助成金情報も教えてもらえる
  • 就業規則や労務体制の整備もサポートしてもらえる

費用の目安は、初期手続きで数万円前後。
継続して顧問契約を結ぶ場合は、月額料金が発生します。
ただし、差し戻し・遅延・罰則リスクを避けられる安心感を考えると、コスト以上の価値があります。

自分で対応する場合は、各窓口や電子申請システムを活用して正確に進めることが大切です。

会社設立後の社会保険加入は、事業を継続するうえで避けて通れない法的義務です。
健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険にはそれぞれ条件と提出期限があり、ひとつでも遅れると後から大きな負担が発生することもあります。

社会保険の整備は、単なる事務手続きではなく「会社の信用を支える基盤づくり」です。
設立直後の忙しい時期だからこそ、早めに着手することが結果的に経営をラクにします。

当事務所(社労士事務所つむぐ)は、豊川市を中心に、事業所様それぞれの状況や経営方針に合わせたきめ細やかなサポートを行っております。
社会保険の手続きや労務管理に不安がある場合は、どうぞお気軽にご相談ください。