職場でのハラスメントや不当解雇を未然に防ぐには、就業規則の整備が欠かせません
「うちは関係ない」と思って放置していると、思わぬトラブルに発展することもあります。

実際、愛知県が2022年に実施した調査では、県内企業の約79%がパワハラ防止に取り組んでいる一方で、約4社に1社(24.9%)が従業員からハラスメント相談を受けた経験があると回答しています。

多くの企業が対策を進めている中、就業規則の整備が不十分なままだと、自社だけが“リスクを抱えた状態”になってしまう可能性もあります。この記事では、ハラスメント防止のための就業規則づくりや、最新の法改正に対応した見直しのポイントを、社労士の視点からわかりやすく解説します。

ハラスメントとは、相手の尊厳を傷つけたり、働く環境を悪化させる行為のことを指します。
代表的なものには、パワーハラスメント(職権を利用した嫌がらせ)セクシュアルハラスメント(性的言動による嫌がらせ)などがあります。企業にとってハラスメント対策は「倫理」ではなく「法的義務」です。
労働施策総合推進法(パワハラ防止法)により、全ての企業に防止措置が義務化されており、就業規則でルールを明文化しておく必要があります。

就業規則でハラスメントを防ぐためには、「何がNG行為なのか」を明確にすることが重要です。
たとえば、パワハラであれば「人格を否定する発言」「業務と無関係な私的指示」「継続的な叱責」など。
セクハラであれば「身体への不必要な接触」「性的な冗談や発言」など、具体例を明記しましょう。

ハラスメント行為例を明文化することで、従業員が自分の言動を客観的に見直しやすくなり、曖昧な認識によるトラブルを防ぎやすくなります。

ハラスメント被害が起きても、相談できる窓口がなければ問題は放置されてしまいます。
就業規則には、相談窓口の担当者・連絡先・対応時間・匿名相談の可否などを明示し、被害者が安心して声を上げられる仕組みを作りましょう。

ハラスメント相談体制を整えることで、早期発見・早期解決が可能になり、職場全体の信頼感も高まります。

様々なハラスメントに対応した社労士による相談窓口を設置

ハラスメント行為が発覚した場合の懲戒規定も明確にしておくことが重要です。
「警告」「減給」「出勤停止」「解雇」など、違反の程度に応じた処分を定めておくことで、社員に対して会社の毅然とした姿勢を示せます。

また、処分基準をあらかじめ明記しておくことで、後から「不当な処分だ」と争われるリスクも減らすことが可能です。

就業規則を作るだけでは防止策として不十分です。
定期的な研修や周知活動によって、社員一人ひとりがルールの意味を理解することが重要です。

また、教育の実施を就業規則に明記しておけば、会社が防止策に積極的に取り組んでいる姿勢を対外的にも示すことができます。

社員のハラスメント研修・教育も社労士に依頼

ハラスメントだけでなく、不当解雇も企業にとってリスクの高いトラブルです。
「能力不足」「勤務態度の悪化」などを理由に解雇したつもりでも、就業規則の手続きや警告の流れが明確でないと「不当解雇」と判断されることがあります。

  • 解雇事由(どんな場合に解雇となるか)
  • 手続きの流れ(事前警告・弁明の機会など)
  • 退職金や再就職支援の扱い

これらをルール化しておくことで、解雇判断の公平性が担保され、万一の際も会社を守ることができます。

労働法関連の法改正は頻繁に行われており、就業規則を最新法令に合わせて更新することが求められます。
特にハラスメント防止・解雇に関する法令は社会的関心が高く、ガイドライン改定や行政指導も多い分野です。

厚生労働省や労働局のサイト、専門誌などから法改正情報を定期的にチェックしましょう。
知らないうちに規定が古くなっていると、違法状態となる可能性もあります。

法改正や判例の変更があったときはもちろん、会社の規模や働き方が変わったタイミングでも見直しを行うのが理想です。
数年に一度は専門家にチェックを依頼し、常に現状に合った内容に保ちましょう。

就業規則を社労士が見直すことでハラスメントトラブルを未然に防ぐ

社員と会社の双方にとって安心できる職場環境をつくるには、明確で実務に即した規則づくりが欠かせません。
社労士に依頼すれば、労働基準法や関連法令に基づき、企業の業種・規模・人員構成に合わせた就業規則の作成・見直しが可能です。
ハラスメント防止や解雇手続きなど、曖昧になりやすいルールも整理され、トラブルの未然防止や法令遵守を強力にサポートします。

社労士は労働基準法などの関連法令に精通しており、企業の業種や人員構成に合わせた就業規則を作成できます。
曖昧になりがちなハラスメント防止規定や解雇手続きを明確化し、社員・会社双方が安心できるルールづくりをサポートします。

社労士は日々、法改正や行政通達、判例をチェックしています。
そのため、自社では気づきにくい法的リスクを見逃さず、最新の法令に即した就業規則を提案することが可能です。

万が一、ハラスメントや解雇に関するトラブルが発生した場合でも、社労士が就業規則を根拠に、客観的かつ公正な立場でアドバイスを行います。
早期解決を図ることで、経営者・人事担当者の心理的負担を軽減できる点も大きなメリットです。当事務所(社労士事務所つむぐ)では、実際に事業所へお伺いしながらのサポートも行っております。
何かお困りごとがありましたら、いつでもお気軽にご相談ください。

ハラスメントや不当解雇を防ぐためには、
就業規則を明文化し、具体的な行為例・相談体制・懲戒・教育・解雇手続きまでを明確にすることが大切です。

また、ルールを形だけにせず、定期的な教育や見直しを行うことで、「守らせるための規則」から「社員を守るための規則」へと変えていくことができます。時代に合った就業規則を整備し、会社と社員が安心して働ける環境をつくるためにも、まずは一度、社会保険労務士(社労士)に相談してみましょう。