「社員から残業代が支払われていない」と言われたら、ドキッとしますよね。
多くの中小企業では、勤怠や給与の管理が現場任せになっており、思いがけず未払いが発生しているケースも少なくありません。

この記事では、残業代請求を受けたときの正しい初動対応から、再発防止策、そして社労士に相談するメリットまでを、わかりやすく解説します。

社員から未払い残業を指摘された場合、感情的に対応するとトラブルが拡大する可能性があります。
まずは事実関係の確認を最優先に行い、給与や勤怠記録と照らし合わせたうえで、従業員に誠実に説明することが重要です。
また、指摘をきっかけに管理体制やルールを見直すことで、再発防止や法令遵守の強化につなげることができます。

最初に行うべきは、本当に未払いが発生しているかどうかの確認です。
タイムカード・勤怠システム・給与明細などを照らし合わせ、該当期間の労働時間や残業時間を確認しましょう。

記録が残っていない場合は、本人や上司へのヒアリングも必要です。
事実関係をしっかり整理することで、思い違いや誤解によるトラブルを防ぐことができます。

事実関係が確認できたら、従業員には丁寧かつ迅速に説明しましょう。
特に、金額や期間に誤りがあった場合は、原因や対応方針を具体的に伝えることが大切です。

相手の話に耳を傾け、落ち着いた姿勢で向き合うことを意識しましょう。
誠実な対応を心がけることで、従業員の不満や不信感を和らげることができます。

残業代の未払いを従業員への説明時のアドバイスも社労士に!

今回の指摘をきっかけに、勤怠管理・賃金計算の方法を見直すことをおすすめします。
残業申請のルールや、管理職がどこまで把握しているのかを明確にすることが重要です。

「誰が、いつ、どの作業をどれくらい残業で行ったのか」を把握できる仕組みがなければ、再発防止はできません。
就業規則や賃金規程の内容も、このタイミングで必ずチェックしましょう。

労働基準法では、会社が守るべき「賃金支払いの5つのルール」が定められています。
中でも特に大事なのが、「全額払い」「毎月払い」「一定期日払い」の3つです。

このルールは残業代(割増賃金)にももちろん当てはまり、時間外労働をさせた場合は25%以上の割増率で賃金を支払わなければなりません。

愛知県の統計では、所定外労働時間が月平均11.7時間(2023年「あいちの勤労」より)とされています。
つまり、県内でも多くの企業である程度の残業が日常的に発生しているということ。
だからこそ、残業時間や割増賃金を正しく管理することが、これからの会社経営では欠かせません。

未払い残業が発覚すると、企業には金銭的負担だけでなく、行政指導や刑事罰、社会的信用の低下といった多面的なリスクが生じます。
過去の残業代の支払い義務や付加金、監督署からの是正勧告、さらには刑事責任まで、法的な影響は決して軽視できません。
ここでは、未払い残業がもたらす具体的なリスクについて整理し、経営者が把握しておくべきポイントを解説します。

未払いが確認されると、まずは過去の残業代を遡って支払う義務が生じます。
労働基準法の改正により、残業代請求の時効は3年に延長されています。
つまり、過去3年分をまとめて請求されることがあり、金額によっては数百万円単位にのぼることもあります。

さらに、悪質なケースと判断された場合には「付加金」という形で、未払い分と同額の金銭を上乗せで支払うよう命じられることもあります。
実質的には“2倍返し”になる可能性もあるため、注意が必要です。

従業員が労働基準監督署に相談すると、会社には監督官による調査が入ります。
記録の提出を求められ、未払いが確認されれば「是正勧告書」や「指導票」が交付されます。

是正勧告を放置すると送検(刑事事件化)されることもあり、 社名が公表されるケースも。
実際、是正指導の約4割が「賃金未払い」に関するものだとされています。

残業代の未払い金発覚での行政指導・是正勧告も社労士がいると安心

労働基準法第37条に基づき、残業代を正しく支払っていないと判断された場合には、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されることがあります。

懲役刑になるケースは稀ですが、送検・報道による社会的信用の低下は避けられません。
中小企業にとっては、法的罰則以上に「信頼を失う」ことが最大のリスクです。

「自社だけで判断して大丈夫だろうか」と不安を感じたら、早めに社会保険労務士(社労士)に相談するのがおすすめです。

社労士は、労働時間・賃金計算・法改正対応などのプロフェッショナル。
勤怠管理の改善提案や、就業規則の見直し、トラブル発生時の対応方針など、企業の実情に合わせてサポートしてくれます。

また、労働基準監督署から調査や是正勧告を受けた際にも、必要な書類の準備や説明対応を一緒に進めることができるため、経営者にとって心強い存在となります。

未払い残業の問題は、会社の信頼や社員との関係に大きく影響します。
「うちは大丈夫」と思っていても、管理の抜け漏れやルールの曖昧さが原因で、知らないうちに法令違反に該当していることもあります。

大切なのは、トラブルが起きてから対応するのではなく、起きる前に仕組みを整えることです。社労士事務所つむぐでは、勤怠管理や賃金の見直し、残業代の正しい計算方法など、実務に即したアドバイスを行っています。
「社員との信頼関係を大切にしながら、安心して働ける環境を整えたい」そんな企業の皆さまを、私たちは全力でサポートいたします。
気になる点や不安がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。